蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「仲間もいっぱいできただろ。年齢層が幅広くて笑ったよ」

「小舟さんのこと?」

「逞しいよな。そうやってカップ酒もゲソも立ち食い蕎麦も覚えたんだろ?」


 なにかを思い出したのか、うしろで吹き出す声がした。


「そういえばリネン室で俺の大悪口言ってたな」

「なな、なにを聞いたの?」

「まあいい」

「なによ、聞いたその場で踏み込んでくれたらいいのに、黙って腹の底にしまってあとから持ち出すなんて卑怯じゃない」

「ははは」


 彼が珍しく声を上げて笑った。心当たりはいろいろあってすごく焦っているのに、なぜだか安心して私は目を閉じた。

 結局、全部ばれている。
 広くて大きくて、なんて心地いいんだろう。彼の手も、なにもかも。


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