蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「俺が買ってくる」

「それじゃお礼になりません」

「その顔で外に出るな。その格好で」

「どっ、どういう意味? すっぴんだから?」


 私は憤慨して彼の腕を振りほどいた。


「マッサージチェアでも見苦しいって言うし、そんなに私って恥ずかしいの? 浴衣姿がみっともないの?」

「そうじゃない。わからないのか?」


 再び彼が私の腕を掴んだ。
 立ち上がりかけていた私の腰が横に崩れ、彼の膝の間に落ちる。彼の脚に閉じ込められたような至近距離で見つめ合う。


「俺がどうしてお前をここに閉じ込めたがるか、わからないか?」


 蓮司さんの目に浮かぶのは、苛立ちと怒りと……?
 そこに見えた情欲に私は驚いて目を見開いた。


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