蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
部屋を出てからトイレに行くと、たしかに私の顔はとても感じのよいものではなかった。両手で頬を叩き、何度か深呼吸してから営業企画部に戻る。
「今から行くんだよね? 今日は直帰でいいよ」
戻ってきた私が無理矢理ではあるものの笑顔を浮かべているのを見て、橘部長がほっとしているのがわかる。
大抵の客に対してはどんなに不愉快な目に遭っても腹は立たないのに、綾瀬花音にだけ感情が乱れてしまうのは、やはり嫉妬や対抗心があるからだろうか。少し自己嫌悪する。
謝罪で訪れたブーケ・ダンジュの東京営業所に幸い綾瀬花音はおらず、営業社員がとても丁寧に迎えてくれた。綾瀬花音も私の負け犬姿を待ち受けるほど暇ではないのだろう。
「今から行くんだよね? 今日は直帰でいいよ」
戻ってきた私が無理矢理ではあるものの笑顔を浮かべているのを見て、橘部長がほっとしているのがわかる。
大抵の客に対してはどんなに不愉快な目に遭っても腹は立たないのに、綾瀬花音にだけ感情が乱れてしまうのは、やはり嫉妬や対抗心があるからだろうか。少し自己嫌悪する。
謝罪で訪れたブーケ・ダンジュの東京営業所に幸い綾瀬花音はおらず、営業社員がとても丁寧に迎えてくれた。綾瀬花音も私の負け犬姿を待ち受けるほど暇ではないのだろう。