蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
再びブランデーをひと口飲み、しゃべり続ける。
「今回のことだって、一回ぐらい、慰めてほしかった。励ましてほしかった」
カウンターの正面にすらりと並んだボトルが滲んで揺れる。
「彼が社長の息子だってこと、綾瀬さん知ってたんです……。私には打ち明けてくれなかったのに」
ブランデーのグラスに一滴、涙の雫が落ちた。
「私は打算で彼を好きになったんじゃないのに……」
こういうのを面倒臭い酔っ払いというのだろう。橘部長に申し訳ないと思いつつも、私の口は蓮司さんへの思慕を呟いてしまう。
「ねえ、白川さん。あいつにお仕置きしてやる?」
ちらりと腕時計を確認した橘部長は、なにかを企むようにそう言ってニヤリと笑った。薄暗い照明の下で見る王子のワル顔は普段とはまた違ってなかなか魅力的だ。
「今回のことだって、一回ぐらい、慰めてほしかった。励ましてほしかった」
カウンターの正面にすらりと並んだボトルが滲んで揺れる。
「彼が社長の息子だってこと、綾瀬さん知ってたんです……。私には打ち明けてくれなかったのに」
ブランデーのグラスに一滴、涙の雫が落ちた。
「私は打算で彼を好きになったんじゃないのに……」
こういうのを面倒臭い酔っ払いというのだろう。橘部長に申し訳ないと思いつつも、私の口は蓮司さんへの思慕を呟いてしまう。
「ねえ、白川さん。あいつにお仕置きしてやる?」
ちらりと腕時計を確認した橘部長は、なにかを企むようにそう言ってニヤリと笑った。薄暗い照明の下で見る王子のワル顔は普段とはまた違ってなかなか魅力的だ。