蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
いったい何十回好きだと言われたのかもわからないほどキスをして、ようやく口答えをやめた私はおとなしく彼の胸にもたれた。
「夕べはあれから俺はひとりだった。あの女がそれからどうしたのかは知らないし、どうでもいい」
「ひとりでなにをしてたの? どこにいたの?」
「追いかけられるはずもないのに、橘とお前がタクシーに乗り込むのを見て店を飛び出したんだ。それからひとりで飲んでた」
「どうして彼女と会ってたの? 仕事のことなら言わなくていいです」
「仕事にはまったく関係ない」
彼の腕の中で身をこわばらせ、息を吸い込んで臨戦態勢に入った私の背中を彼があやすように撫でた。
「まあ最後まで聞け」
私を見つめる彼の目はおかしそうで、それでいて苦しそうで、優しくて、いろんな感情がこもっていた。短いキスのあと、彼は説明してくれた。
「やっとイベントが終わって顧客じゃなくなったからな。ブーケ・ダンジュとは取引関係を続けるが、鬱陶しいオマケを押しつけられるのはもうたくさんだと、オマケ本人に説明した」
オマケ本人という表現に吹き出しそうになったけれど、蓮司さんは本気で頭に来ていたらしく、真面目に続けた。
「夕べはあれから俺はひとりだった。あの女がそれからどうしたのかは知らないし、どうでもいい」
「ひとりでなにをしてたの? どこにいたの?」
「追いかけられるはずもないのに、橘とお前がタクシーに乗り込むのを見て店を飛び出したんだ。それからひとりで飲んでた」
「どうして彼女と会ってたの? 仕事のことなら言わなくていいです」
「仕事にはまったく関係ない」
彼の腕の中で身をこわばらせ、息を吸い込んで臨戦態勢に入った私の背中を彼があやすように撫でた。
「まあ最後まで聞け」
私を見つめる彼の目はおかしそうで、それでいて苦しそうで、優しくて、いろんな感情がこもっていた。短いキスのあと、彼は説明してくれた。
「やっとイベントが終わって顧客じゃなくなったからな。ブーケ・ダンジュとは取引関係を続けるが、鬱陶しいオマケを押しつけられるのはもうたくさんだと、オマケ本人に説明した」
オマケ本人という表現に吹き出しそうになったけれど、蓮司さんは本気で頭に来ていたらしく、真面目に続けた。