蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
昨日からまだ回復しきれていない胃の辺りをさすりながら考える。
昨日飲んだミルクたっぷりのカフェオレはおいしかった。オーダーのとき、その可愛らしいフレーズがまったく彼に似合わなかったことを思い出して吹き出しそうになる。そこから連鎖して、部屋での出来事が次々とよみがった。
ベッドの上で彼が見せた妖艶な表情。力強い腕。私に覆い被さる彼から発せられる色香。女子社員がキャーキャー騒ぐのもわかる。彼を男として見ることがなかった私には衝撃だった。
『ここからは自分で脱げ』
そして私は目を閉じて……。
(いやいやいやいや)
最も恥ずかしい部分で回想を強制終了し、頭を振る。
昨日からいったい何度これを繰り返したら気が済むのだろう? 忘れたいと願っているのに、なぜか思い返してしまうのだ。そして、もしあれが本当にそういう意味の命令だったら、あれからどうなったのかなとか──。
「いやいやいやいや」
「なにが?」
思わず声に出してしまい、橘部長に訊き返された私は我に返った。
昨日飲んだミルクたっぷりのカフェオレはおいしかった。オーダーのとき、その可愛らしいフレーズがまったく彼に似合わなかったことを思い出して吹き出しそうになる。そこから連鎖して、部屋での出来事が次々とよみがった。
ベッドの上で彼が見せた妖艶な表情。力強い腕。私に覆い被さる彼から発せられる色香。女子社員がキャーキャー騒ぐのもわかる。彼を男として見ることがなかった私には衝撃だった。
『ここからは自分で脱げ』
そして私は目を閉じて……。
(いやいやいやいや)
最も恥ずかしい部分で回想を強制終了し、頭を振る。
昨日からいったい何度これを繰り返したら気が済むのだろう? 忘れたいと願っているのに、なぜか思い返してしまうのだ。そして、もしあれが本当にそういう意味の命令だったら、あれからどうなったのかなとか──。
「いやいやいやいや」
「なにが?」
思わず声に出してしまい、橘部長に訊き返された私は我に返った。