蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
彼に指定された最上階に到着した私は、開いたエレベーターのドアの向こうに広がる眺めに思わず呟いた。
「ここはどこ……?」
薄暗い照明に照らされたそこには細かな玉砂利が敷き詰められ、飛び石が配された苑路が続いている。
かつて白川の造園事業が盛んだった頃に屋上庭園を手がけたことはあったけれど、こういう個人向けの屋内石庭は初めて見た。
(最近の世の中にはこんな贅沢があるのか……)
呆気にとられている間にエレベーターのドアが閉まってしまい、慌てて開のボタンを押す。
恐る恐る飛び石を辿った先にはドアがあった。キョロキョロと見回してみたけれどほかにドアはないので、そこが鷹取蓮司の自宅らしい。これを開けたら、次はなにが出てくるのだろう?
恐れをなして立ちすくんでいると、いきなりドアが開いて飛び上がる。
「遅かったな」
彼の背後を見るとそこは普通に住居のようで、ほっと胸を撫で下ろす。
とはいえ、当然ながら贅沢な造りだ。エントランスとは打って変わって内部は明るく、リビングと一体化した広いルーフテラスからは東京の街並が一望できた。夜になればさぞ素晴らしい眺めだろう。できれば花火大会もここから見てみたいものだけど、今は四月に入ったばかり。私の嫌われ計画では夏まで長居することなく早々に決着する予定なので、少し残念だ。
「ここはどこ……?」
薄暗い照明に照らされたそこには細かな玉砂利が敷き詰められ、飛び石が配された苑路が続いている。
かつて白川の造園事業が盛んだった頃に屋上庭園を手がけたことはあったけれど、こういう個人向けの屋内石庭は初めて見た。
(最近の世の中にはこんな贅沢があるのか……)
呆気にとられている間にエレベーターのドアが閉まってしまい、慌てて開のボタンを押す。
恐る恐る飛び石を辿った先にはドアがあった。キョロキョロと見回してみたけれどほかにドアはないので、そこが鷹取蓮司の自宅らしい。これを開けたら、次はなにが出てくるのだろう?
恐れをなして立ちすくんでいると、いきなりドアが開いて飛び上がる。
「遅かったな」
彼の背後を見るとそこは普通に住居のようで、ほっと胸を撫で下ろす。
とはいえ、当然ながら贅沢な造りだ。エントランスとは打って変わって内部は明るく、リビングと一体化した広いルーフテラスからは東京の街並が一望できた。夜になればさぞ素晴らしい眺めだろう。できれば花火大会もここから見てみたいものだけど、今は四月に入ったばかり。私の嫌われ計画では夏まで長居することなく早々に決着する予定なので、少し残念だ。