蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「俺のベッドに来るか?」


 いきなりの爆弾投下。全身に汗をかきつつ恐る恐る隣を見ると、背もたれにゆったりと身体を預けて私を眺めていたらしい彼がニヤニヤしていた。私の背中はゆったりどころかカチンコチンの垂直だ。


「別でお願いします。私、いびきをかくので」


 実際にかいているのかは知らないけれど、幻滅させるのが目的なのだから嘘でいい。
 別に二十七年間何事もなかった自分の貞操を心配しているわけではない。この男が私に興味などないとわかっている。でも一緒のベッドで毎晩過ごすなんて安眠できるはずがないし、勝つ前に衰弱してしまう。


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