蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
メニューを取り終え、橘部長が確保してくれた席に並んで座る。私が端で、その隣が橘部長だ。続いてやってきた蓮司さんは三つ隣の斜め前の席にトレーを置いた。社員食堂が混んでいてそこしか空いていなかったとはいえ、微妙に近い。でも会話までは聞こえない距離だ。
「これいる? 白川さん、チョコレート好きだったよね」
橘部長がデザートのお皿を私のトレーに乗せた。今日はチョコレートのプチガトーだ。珍しく橘部長がデザートを取ったなと思っていたら、私にくれるつもりだったようだ。
「わぁ、ありがとうございます」
そう言いながら、数日前に蓮司さんがチョコレートを持って帰ってきてくれたことを思い出し、浮気したようなうしろめたい気分になった。
これは不可抗力だから私のせいではないのよ。
三つ斜め前の席にそう言い訳する。
それでも顰蹙を買うための行動は続けなければならない。
「部長、お肉ひと切れ食べてもらっていいですか? チョコと交換で」
「いいの? 今日はステーキなのに」
「はい。私には少し大きいので」
お前は大食いだろうと声が聞こえてきそうな白い視線を受け止めつつ、可愛らしく顔をかしげて笑ってみせる。
「僕のお箸でごめんね」
そう言いながら、橘部長は私のお皿からサーロインステーキをひと切れ取った。
「平気です」
「これいる? 白川さん、チョコレート好きだったよね」
橘部長がデザートのお皿を私のトレーに乗せた。今日はチョコレートのプチガトーだ。珍しく橘部長がデザートを取ったなと思っていたら、私にくれるつもりだったようだ。
「わぁ、ありがとうございます」
そう言いながら、数日前に蓮司さんがチョコレートを持って帰ってきてくれたことを思い出し、浮気したようなうしろめたい気分になった。
これは不可抗力だから私のせいではないのよ。
三つ斜め前の席にそう言い訳する。
それでも顰蹙を買うための行動は続けなければならない。
「部長、お肉ひと切れ食べてもらっていいですか? チョコと交換で」
「いいの? 今日はステーキなのに」
「はい。私には少し大きいので」
お前は大食いだろうと声が聞こえてきそうな白い視線を受け止めつつ、可愛らしく顔をかしげて笑ってみせる。
「僕のお箸でごめんね」
そう言いながら、橘部長は私のお皿からサーロインステーキをひと切れ取った。
「平気です」