極愛恋情~敏腕CEOに愛し尽くされています~
「嫉妬して、俺のキスで涙目になって甘い声出して……熱っぽい視線向けて。俺を煽ってるとしか思えない」

 しなやかな腕が顔の横に置かれ、ギシッと音を立てて沈む。
 視界いっぱいに織が映り込み、咄嗟に俯いた。

「織、待っ……ん」

 私の抵抗なんてささやかなもので、織は易々と口を重ね、私を甘く溶かしていく。

「無理。麻結が可愛いのが悪い」

 私が悪いって言ったって……。

 胸がドキドキと騒ぎすぎて、言葉も発せない。ただ瞳を潤ませ、テレパシーを送るかのごとく、織を見つめ続ける。

 どうしよう。心臓が壊れそう。
 困惑しているわけは、自分の意思がはっきりとわらかないから。

 触れられて嫌悪感はない。
 織の色素の薄い瞳に自分が映し出されると、胸が震えるけど怖くはない。

 織がかたちのいい唇を寄せてくる。

 きっと柔らかな感触とともに、声を出す自由を奪われる。そう想像した瞬間、大きな感情の波がせりあがってくる。

 おもむろに織の綺麗な顔が近づいてきて、私は彼の熱い吐息感じ、ぎゅっと瞼を伏せた。

「麻結はこうされるの、嫌?」

 織はすらりとした指先を、私の首筋につっと滑り落とす。

 鎖骨までなぞられ、背筋がぞくぞくと甘く震える。同時に胸の奥が苦しくなり、身体が疼いた。

「嫌……じゃ、ない」

 掠れた声でどうにか答えると、織は妖艶な微笑でそれを受け止めた。貪るようなキスを繰り返し、私の全部を慈しむ。

 私はもう声を堪えきれなくて、途中から無意識に織の肩に口を押し付けていた。
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