通信制の恋
とぼとぼと家まで歩いて帰ると、母さんがダイニングルームから顔を覗かせた。


「おかえり。もうご飯出来るよ?」


「ん、分かった。着替えてくるね」


母さんの前ではなくこともできず、私は必死に笑顔を貼り付けながら二階の自分の部屋へと戻った。


ご飯を食べている間も、頭の中は駅前で見た、直と女の子のことばかりだった。



「結?なんだか元気ないわね、どうしたの?」


「え、ううん、大丈夫だよ?」


「…無理しなくていいのよ。あなたの母親だもの、無理してることくらい分かるわよ。」


「お母さん…、あのね…」



母さんの優しさに甘えて私は最近直が学校に来ていないこと。今日のバイトも休んだのに駅前で他の女の子といたことを簡潔的に話した。



「そっか…、直くんがね…。その女の子との関係は聞けなかった?」


「うん…逃げ出してきちゃった…」


「そっか。きっと直くんも今一番結と話したいと思ってるはずよ。しっかり話をつけてね。」


「…うん。」


母さんに言われ、私はご飯を食べ終え、お風呂に入っている間に、どんな風にLINEのメッセージを打とうかと考え、お風呂から上がり髪の毛を乾かすと、部屋に戻ってスマホと向き合った。

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