通信制の恋
泣いた後そのまま寝てしまったのか、私が起きると外はゆうやけに包まれていた。


「どんだけ、寝たの…私…」


ガシガシと頭を掻くと、私は顔を洗いに洗面所へ向かった。


すると洗面所の鏡写ったのは、ぶっさいくな私がいた。


目は泣いたせいで赤く腫れ、顔もむくんでいた。



「はぁ…、酷い顔…」


水で顔を洗った後、目元を冷やそうとキッチンの冷蔵庫へ向かおうとしたとき、母さんが帰ってきた。


「おかえり。」


「ただいま…って、すごい顔よ、結!」


「あー、うん、分かってる。これから目元冷やそうと思って。」


私の酷い顔はかあさんにも分かるほど酷いもので、私は苦笑いをしながらキッチンへと向かった。


冷凍庫から冷えた保冷剤を取り出して、近くにあったキッチンペーパーで包み、目元に当てた。



「あー、気持ちい〜…」


「そんな顔でどうしたの?」


「んー…、直の元カノが出てきた」


「あら、直くんの元カノ?修羅場ね…」


「折角、直と話すチャンスだったかもしれないのに、私、嫉妬して電話切っちゃった。」


「そっか…。明日学校でしょ?直くんも登校すればいいわね。もし、登校したらきちんと話すのよ?」


「ん、善処します…」


目元に保冷剤を当てて、ソファーでぐったりしながら、私を返事をした。
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