通信制の恋
その日の夜、私は杏樹ちゃんに電話して、直の元に元カノが来ていることなどを話した。


『えーっ!?元カノ!?しかも天野くんの家にいるっぽいってそれってマズくない!?』


「だよねー…、私もそれで嫉妬しちゃって、電話切っちゃったんだけどさ…」


『それは私でも嫉妬するわ…。てか、なんで今更元カノが?』


「それは分からない…、私が理由を聞こうとしないから…」


『天野くんの口から聞くの怖いもんね…。明日学校に来るといいね。』


「学校に来ても話せる自信ない…。」


私はちゃんと直と話せるだろうか。
その自信がなかった。


『学校では私が一緒にいるから、大丈夫だよ。』


「ありがとう…、杏樹ちゃん。」


そう言って私は杏樹ちゃんとの電話を切った。






次の日。


私が学校に登校すると、玄関に見慣れた姿を見つけた。


生徒玄関の入り口に直がいたのだ。


気まずさから私は足を止めた。


「結!」


スマホん見ていた顔を上げて私を見つけた直は、私の方へ近寄ってきた。


「結、話を聞いてくれ。」


「………」


私は心が痛んだが、嫉妬から無視を決め込み、玄関に入った。


教室に着いても、授業が始まって直が以前のようにノートの端を破り、メモがわりにして私に投げてきたが、私はその返事をすることはなかった。


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