通信制の恋
そんな調子で1日を終えるとわたしはそそくさと帰ろうとした。


すると…


「結！！」


玄関を出たところで後ろから直がやってきて、わたしの手首を掴んだ。


「待ってよ…」


「話すことなんてない。元カノさんの話なら…」


「そのことで誤解してるんだよ！茜のことはなにも…」


「直ーっ！」


直がわたしの手首を掴んだまま弁解していると校門の方から直の名前を呼ぶ声が聞こえた。


茶髪のロングの髪をゆるく巻いた可愛らしい女の子。


声からして恐らく、直の元カノ。


正直言って、私よりも断然可愛かった。


その差を見せつけられるかのようになり、私はその場に居たくなくて、直の手を振りほどこうとした。


が、力が強くて離すことができなかった。


「結、行くよ。」


「えっ、直、元カノさんが…」


「知らない。結の方が優先。」


直は学校までやってきた元カノに対して何も言わずにスッと横を通り過ぎて無視をした。


「えっ、直？」


「ちょっと待って。学校に来たことは謝るから…。今日も家に…」


「うるさい。来んな。」


低い声ではっきりと言った直に元カノさんは何も言わなかった。

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