通信制の恋
そのまま無言の直に連れられてやってきたのは、綺麗な一軒家だった。
駅前からバスに乗って数分の場所だった。
恐らく、ここが直の家だろう。
鍵を開けて中に入ると中はシーンとしており、誰も居ないことが分かった。
「両親は帰ってくるの遅いから、余計な気遣わないでいいから。」
そう言われると余計に緊張してしまうのは直には分かっているのだろうか。
そして、直に手を引かれるまま、二階に上がり、とある部屋で止まると直が扉を開いた。
そこには黒を基調とした家具や机が置いてあり、直の香りがした。
部屋に入った途端、直が後ろから私を抱き締めた。
部屋に入っても直に香りに包まれたのに、更に至近距離で直の香りがフワッと広がった。
「直…?」
「…お願い、無視だけはやめて。結構寂しいから…」
「…ん、分かった。」
その場の雰囲気に私がこくりと頷くと、直はそのまま私の手を引いてベッドに腰掛けた。そして、私を手招きすると、私を後ろから抱き締め私の方に額を置いた。
「元カノ…茜のこと、話してもいい?」
「その、名前で呼ばないで。」
私の最後の足掻きだった。
元カノのことを名前で呼ぶのが一番心にグサッとくる。
「分かった。あいつは深条 茜(しんじょう あかね)。俺が中学の時に付き合ってた奴。付き合ってたって言っても、ほんの1,2ヶ月くらいだけどな。」
直はぽつぽつと話し始めた。
駅前からバスに乗って数分の場所だった。
恐らく、ここが直の家だろう。
鍵を開けて中に入ると中はシーンとしており、誰も居ないことが分かった。
「両親は帰ってくるの遅いから、余計な気遣わないでいいから。」
そう言われると余計に緊張してしまうのは直には分かっているのだろうか。
そして、直に手を引かれるまま、二階に上がり、とある部屋で止まると直が扉を開いた。
そこには黒を基調とした家具や机が置いてあり、直の香りがした。
部屋に入った途端、直が後ろから私を抱き締めた。
部屋に入っても直に香りに包まれたのに、更に至近距離で直の香りがフワッと広がった。
「直…?」
「…お願い、無視だけはやめて。結構寂しいから…」
「…ん、分かった。」
その場の雰囲気に私がこくりと頷くと、直はそのまま私の手を引いてベッドに腰掛けた。そして、私を手招きすると、私を後ろから抱き締め私の方に額を置いた。
「元カノ…茜のこと、話してもいい?」
「その、名前で呼ばないで。」
私の最後の足掻きだった。
元カノのことを名前で呼ぶのが一番心にグサッとくる。
「分かった。あいつは深条 茜(しんじょう あかね)。俺が中学の時に付き合ってた奴。付き合ってたって言っても、ほんの1,2ヶ月くらいだけどな。」
直はぽつぽつと話し始めた。