通信制の恋
「観光に行かないの?」


「もうちょっと結を補給させて…」


さっき部屋に着いてから直はずっとこの調子で、私を後ろから抱き締めながら、首元に顔を埋めていた。




10分くらい経っただろうか、ようやく離してくれた直は満足そうな表情で"観光に行こっか"と言った。


宿の近くには流石温泉街といった感じで、お店が軒を連ねていた。


「あっ、直!温泉まんじゅうだって!試食もあり!?食べよ?」


「ふふ、結、そんなに食べると夕食食べられなくなるよ」


「う…、それは気を付けなきゃ…」


夕食は豪華な料理だと聞いた。

だから、楽しみにしていたのだ。





一通りお店を見て回り、宿へ戻ると夕食の前にお風呂はどうですか?と仲居さんに勧められたので、お風呂に入りに行くことに。


「女の子はお風呂長いから待たせるかも。」


「いくらでも待ってるから、ゆっくりしておいで。」


男湯と女湯で分かれている暖簾の前でそう言うと、私達は分かれた。




「うわぁ〜、広い…」


素っ裸でタオルを前を隠した状態で私はお風呂の広さにびっくりした。


お風呂は数種類と露天風呂があるようで、楽しみだった。
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