通信制の恋
露天風呂や屋内のお風呂を堪能して上がった私は浴衣に着替えて、女湯から出た。


するとすぐ目の前のソファーに座り、スマホをいじっている直を発見した。


「ごめん、直!待った?」


「いや、思ったよりも早かった。」


「そう?でも、ごめんね…待たせて…」


「そんな謝らなくていいよ。お風呂、堪能した?」


「うん!気持ちよかった!」


私がハキハキと話すと直はフッと笑った。


「それは良かった。この後は夕食があるからね。」


「どんな料理が出てくるかな!?」


「それも楽しみだね。」


私達は自然と手を繋いで部屋へと戻った。



部屋へと戻り少しだけ荷物の整理をしていると、部屋の扉が叩かれた。


「はい」


「お料理をお持ちしました。運んでもよろしいでしょうか?」


「あ、はい!お願いします!」


私が出て対応すると、仲居さんが続々とやってきて、料理を机に並べ始めた。


私と直は向かい合って座り、その様子を見ていた。


一通り料理を並べ終えると仲居さんは"ごゆっくり"と言って部屋を出て行った。



「直!料理凄いね!」


「ん、早く食べたいんでしょ?」


「う…、ソウデス。」


「「いただきます」」


2人で手を合わせて合掌すると、まずは3つの小鉢が並んだ前菜から食べた。

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