通信制の恋
その後メインのお肉やお造りなどを食べて、お腹がいっぱいになってきたところで、再び部屋の扉が叩かれた。



「はい!」


「ご飯をお持ちいたしました。よろしいでしょうか?」


「あ、はい、お願いします。」


私がそういうと仲居さんたちがご飯を運んでくれた。


そして、食べ終わった皿もついでに片付けて行ってくれた。


残るはご飯と汁物、そしてデザートだった。


「う…、お腹いっぱいになってきた…」


「デザート食べようか?」


「デザートはあげない。別腹だもん。」


「ふっ、それだけ食い意地があれば食べられるよ。」


「食い意地言うな!」


そんな言い合いをしながら、私はパクパクとご飯と汁物を口へ運び、堪能した。


デザートはフルーツがたくさん盛られたプリンアラモードだった。



「はあ〜…、満足満足…。」


ぽんぽんとお腹を叩いて背もたれに凭れていると、タイミングを見計らっていたかのように仲居さんがやってきて、お皿を片付けて行った。


「仲居さん、凄いね…、私たちの食べ終わるタイミング、ばっちりだよ」


「長年の勘ってやつじゃない?」


「そうかな?」


2人で食後のお茶でのんびりしていると直が席を立った。


「結、ちょっと散歩に行こうか。中庭、見たいんでしょ?」


「あ、うん!」


私も立ち上がると浴衣の上に羽織を着て、2人で中庭へ向かった。

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