通信制の恋
直はそのまま布団に座ると、あぐらをかいて私を手招きした。


「おいで、結」


両手を広げて待つ直に私は顔に熱が集まるのを感じながらも大人しく直の胸の中へとダイブした。


「よしよし…」


直は素直に自分の胸に飛び込んできた私の頭を数回撫でると、肩にかかった髪の毛を退かして、首筋に口付けた。


「んっ…」

くすぐったさから思わず声が漏れてしまい、恥ずかしくなって直の胸に顔を埋めた。


「恥ずかしがってる結、可愛い」


「そんなこと言わないで。」


「本当のことなのに。」


そういうと直は私をゆっくりと引き剥がし、布団に押し倒した。


「もう我慢の限界。」


そう言って直は私の額や頬、唇から首筋までキスの雨を降らせた。


そして、いつのまにか私の浴衣の帯を解き、少しはだけさせた。






そしてその夜私達は一線を超えた。






私はまだ真っ暗な時間に目覚めて、時間を確認しようとしたが、直が私を離さないかのようにだきしめて寝ているため、身動きが取れなかった。


「(ま、いっか…)」


スマホで時刻を確認するのを諦めて私は月明かりだけがこの部屋を照らす中、直の顔をまじまじと見た。




最初は私が一目惚れしたのが始まりだった。


一目惚れから始まったのに、今まで色んなイベントに参加して仲を深めてきた。


そして、今日一線を超えてしまったことに私は再び顔を赤くした。


何も身につけていないため、じかに直の体温を感じてそれがより、私の鼓動を早くした。


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