通信制の恋
そのあと、丸いテーブルの脚を畳み、壁に立て掛けると、私は押入れからお布団を取り出した。


「はい、じゃあ、これ杏樹ちゃんのお布団ね。」


杏樹ちゃんにお布団を渡し、敷くのを手伝った。


「明日のためにも夜更かしは良くないし、そろそろ寝ますか!」


「えー、お泊まり会と言ったら、恋バナでしょー?」


「それは寝転がりながらでも、できるでしょー?」


「結、先に寝そう…」


じとーっと見つめてくる杏樹ちゃんに私は視線を逸らして布団に入った。


すると、杏樹ちゃんも布団の中に入り、お互い横になった。


「結はさ、天野くんとどこまでいった?」


「へっ!?ど、どこまでとは?」


「まさかキス止まりじゃないでしょうね?」


「えっ、いや、その…えと…、その先までしました。」


「えーっ!やっぱり!?なんだか結、旅行から帰ってきてから女の子らしいっていうか、可愛くなったっていうか、そうな感じしてたの!」


「杏樹ちゃん、声大きい…!」


思わず身体を起き上がらせて、杏樹ちゃんに人差し指でしーっというポーズを取った。


杏樹ちゃんにはこの前、直と旅行に行ってきた話もしたし、お土産もちゃんと渡せた。


お土産はハンドタオルで大正解だったようで、杏樹ちゃんは喜んでくれた。
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