通信制の恋
「いらっしゃーい」


「好きなところ座っていいよ。」


「ん。」


「じゃあ、私追加のテーブル持ってくるから、待ってて」


杏樹ちゃんと2人の時は丸いテーブル1つで事足りていたが、4人となるとちょっと狭いため、私は別の部屋から新たにテーブルを持ってきた。



「はい、ここ使っていいよ」


折りたたみ式の脚を立たせ、テーブルを置くと、早速そこに直と東雲くんが勉強道具を置いた。


丸いテーブルに私と杏樹ちゃんが向かい合って座り、私の隣には直、杏樹ちゃんの隣には東雲くんが座った。


「じゃあ、勉強始めますか!」


私の掛け声でみんなそれぞれの課題に取り組み始めた。






「ねぇ、直。ここ分かる?」


「ん、ここはー…」


「結〜、ここの答え何〜?」


「はいはい、ちょっと待っててね。」


私が直に質問していると、杏樹ちゃんがすでにギブアップという感じで、私に泣きついてきた。


「あ、そういうことか!」


「ん、分かったなら良かった。」


直の説明は分かりやすくて私はすぐに問題の意味や答えの意味を理解することができた。


「はいはい、杏樹ちゃん、どの教科のどこのレポート?」


「うっ…、体育総合の第9回のレポート…」


「体育か〜、私もわからないところあるから、役に立てられるかどうか…」


私は次に杏樹ちゃんの問いかけに答えたのだが、体育のレポートは意外と難しく、私も答えを埋めるのに苦労した覚えがある。
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