通信制の恋
注文したドリンクが届いたところで、杏樹ちゃんが席から立ち上がった。
「えー、今日のテストを持ちまして、1年次の全過程が終了しましたことを祝して!乾杯!」
「「「かんぱ〜い」」」
私は頼んだオレンジジュースをストローでチュウチュウ吸っていると、店の奥のキッチンから、まきさんが料理を運んできた。
「今日余ったのは持って帰ってもいいから、じゃんじゃん食べてね!」
「何から何までありがとうございます…」
「いーのいーの!結ちゃんと直くんには、いっぱい働いてもらってるからね。」
そう言ってまきさんは、再びキッチンへと戻っていった。
「結!これ美味しいよ!ラザニア!あと、これも!これも!」
「杏樹、口に詰めすぎ。ハムスターみたい。」
「ハムスターじゃないもん!」
「はいはい、口の周りミートソース付いてるよ」
杏樹ちゃんと東雲くんの夫婦漫才のようなコントを見ながら私はしみじみとした。
一年前、学校に行けなくなって家で過ごしていた自分が、今ではバイトもして、友達にも恵まれて、彼氏まで出来ちゃって…、これが夢なんじゃないかと思うほどだった。
「いひゃい」
「なにしてんの、結。」
「これが夢なんじゃないかなって思って。」
「ふーん…」
「ふーんって…」
"なによ"と言葉を続けようとしたら、唇を塞がれた。
「これで夢から醒めた?」
「……はい。」
ぷしゅーと湯気が出そうなほど恥ずかしくて、その場面を見てしまっていた杏樹ちゃんと東雲くんの顔を見ることができなかった。
夢ではない。ここにいるのも。
こうして彼氏といちゃつくことも。
全部本当のことなんだ。
一年前の私に伝えたい。
大丈夫だよって。
あなたには大切な人ができて、楽しい毎日を
送ることができるから、って。
「えー、今日のテストを持ちまして、1年次の全過程が終了しましたことを祝して!乾杯!」
「「「かんぱ〜い」」」
私は頼んだオレンジジュースをストローでチュウチュウ吸っていると、店の奥のキッチンから、まきさんが料理を運んできた。
「今日余ったのは持って帰ってもいいから、じゃんじゃん食べてね!」
「何から何までありがとうございます…」
「いーのいーの!結ちゃんと直くんには、いっぱい働いてもらってるからね。」
そう言ってまきさんは、再びキッチンへと戻っていった。
「結!これ美味しいよ!ラザニア!あと、これも!これも!」
「杏樹、口に詰めすぎ。ハムスターみたい。」
「ハムスターじゃないもん!」
「はいはい、口の周りミートソース付いてるよ」
杏樹ちゃんと東雲くんの夫婦漫才のようなコントを見ながら私はしみじみとした。
一年前、学校に行けなくなって家で過ごしていた自分が、今ではバイトもして、友達にも恵まれて、彼氏まで出来ちゃって…、これが夢なんじゃないかと思うほどだった。
「いひゃい」
「なにしてんの、結。」
「これが夢なんじゃないかなって思って。」
「ふーん…」
「ふーんって…」
"なによ"と言葉を続けようとしたら、唇を塞がれた。
「これで夢から醒めた?」
「……はい。」
ぷしゅーと湯気が出そうなほど恥ずかしくて、その場面を見てしまっていた杏樹ちゃんと東雲くんの顔を見ることができなかった。
夢ではない。ここにいるのも。
こうして彼氏といちゃつくことも。
全部本当のことなんだ。
一年前の私に伝えたい。
大丈夫だよって。
あなたには大切な人ができて、楽しい毎日を
送ることができるから、って。