通信制の恋
バイトが休みの日は、火曜日だった。


杏樹ちゃんも東雲くんもバイトを休みにしてくれたらしく、私は感謝の意を伝えた。


「今日は2人ともありがとー!直に喜んでもらえるの選ぼうね!」


「おー!」


「おー」


3人で拳を上げると、早速例のシルバーアクセサリーのお店へと向かった。


私を真ん中にして左に杏樹ちゃん、右に東雲くんという板挟みの形で歩き始めた私たちを、偶然バイトに行く途中の直が見ていたことも知らずに…






「うわぁ〜、すごいオシャレ!!」


着いたお店はシックな黒を基調とした内装で、アクセサリーが並んでいるところもみな、キラキラと輝いていて綺麗だった。



「あ、杏樹ちゃん、どれがいいんだろ…?」


「わ、私もどうしよ…」


「2人とも落ち着いて。店員さんに聞けばいいと思うよ。じゃ、俺直のバイト先でお茶してるから。」


「えっ、太陽行っちゃうの!?なんのために着いてきてくれたの!?」


「んー、本当は見守っていたかったんだけど、楽しみも減るし、男は退散って訳で。じゃね。」



そう言って東雲くんはあっさりとアクセサリーショップを出て行ってしまった。


女の子2人でショップにいるのもなんだかお店の空気に押し潰されそうになりつつ、私たちは陳列されたアクセサリーたちを吟味した。
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