通信制の恋
次の日


カランカラン


「おはようございます。まきさん。直は来てますか?」


「いや、今日のバイトはずらしてくれって言われてね…。それもことごとく結ちゃんがシフトに入っていない日に。何かあった?」


「それが…」


私は開店前のお店の椅子にまきさんと座り、事情を説明した。


「そうか…。きっと、直くんはヤキモチを妬いたんだよ。」


「ヤキモチ?」


「そう。自分の彼女が他の男の子と歩いていたら、そりゃ、彼氏としてはいい気分にならないし、勘違いしちゃってヤキモチを妬いちゃうもんさ。」


「嫉妬してたんですね…。今度何がなんでも直とシフト合わせてくれますか?」


「ふふ、いいよ。とびっきりの日にしてあげるよ。」






それから直は私を避けるようにバイトのシフトを入れ、電話も出なければメッセージも返さない日々が続いた。





そして、12月24日。



この日、久々に私と直のシフトが合った。


とびっきりの日に、とまきさんが言っていたのは、クリスマスイヴのことだった。


バイト中も業務的な会話しかせず、直は私を避けるように行動を取った。



客足も少なくなったところで、今日のバイトは終わりを告げた。


私はバイトが終わった途端、直が帰る前に、と思って急いで着替えて、この日のために家から持ってきたペアのネックレスを持って、お店の前で直を待った。

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