通信制の恋
「…どうして追いかけてきたの。」


「追いかけてきちゃダメ?」


「ううん、嬉しい。」


私は直に抱き締められたまま、そのまま背中に腕を回してぎゅっと抱き締め返した。


「ごめん。話聞かなくて…。太陽も言葉を濁してたから、何かあったじゃないかって思ったらドス黒い気持ちばっかり出てきちゃって、結に嫌な態度取ってた。ごめん。」


「嫉妬、してたんでしょ?」


「うん。栗田が見えなくて、結が太陽と二人で歩いてるように見えて…。それで、嫉妬した。」


「でも、嫉妬してくれたってことは私のこと好きってことだよね?」


「当たり前じゃん。なに、別れると思ったの?」


「うん…」


私は不安になり、ぎゅっとより一層強く直を抱きしめた。



「別れる訳ないでしょ。あんなプレゼントとメッセージ付いてたら。」


「…見たの?」


「見せるために押し付けたんじゃないの?」


「う…、そうだけど…。」


「ネックレスもメッセージも嬉しかった。こっちのピンクの石がはめ込まれてるの、結のでしょ?付けてあげる。後ろ向いて。」


「ん…」


ゆっくりと腕を解き、後ろを向きネックレスが付けやすいように後ろの髪の毛を上げた。
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