通信制の恋
カチリ


小さく鳴ったその音で付けてもらえたと思い胸元を確認すると、そのにはピンクの石が輝くネックレスが首から下がっていた。


すると、直が髪の毛を上げたままの私のうなじに、ちゅっとキスを1つ落とした。


「んっ、くすぐったいよ、直。」


「虫除け。」


「今、虫飛んでないよ?」


「…そういう意味じゃ無いんだけど…。まぁ、こんな場所見られるのは俺だけだもんね。」



そう言って直は再び後ろから私を抱き締めた。



外寒さなんて忘れそうなくらい恥ずかしくて身体が熱くなってるのが心地いいと感じながら、私は直に身を預けた。



「直。私と付き合ってくれてありがとう。これからも嫉妬したり喧嘩したりするかもしれないけど、その度にこうやって仲直りしていこうね。」


「当たり前。俺が結から離れる訳ないし。てか、離さないし。てか、そんなこと言われたら離れられないじゃん。」


「離れさせない為に言ってるんだし。」


「…策士かよ。」


「お互い様でしょ。…そういえば直、前に私1人で帰した時用事があるって言ってなかった?」


「あ…、もう結のプレゼントで忘れそうになるところだった。」


直はそういうと、鞄から箱を1つ取り出した。


その立方体の形から私は中身を容易に想像できてしまった。

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