通信制の恋
その日、やっと杏樹ちゃんと出会えたのは、お昼の時間だった。
杏樹ちゃんは寝坊をしたそうで、午前中の授業は諦めてお昼の後の午後の授業だけでも出ようと登校したらしい。
そこで改めて、一人にしてごめん、と言葉を添えて、クッキーを渡した。
「え!?結が焼いたの!?うわー!美味しそう!ありがとうね!」
といった感じで興奮冷めやらぬうちに食後のデザートでクッキーを頬張った杏樹ちゃんは"美味しい!"と満面の笑みで感想を言ってくれた。
「そんなに美味しそうに食べてくれると、作った甲斐があるよ」
「あ!そういえば!大事なことを聞かなくちゃいけないんだった!」
その話が来たか…と私は心構えた。
「あの黒髪イケメンの天野くんが結を保健室まで運んだんだよ!?しかもお姫様抱っこで!!!保健室で何かあった!?」
ぐいぐいと来る杏樹ちゃんに私は苦笑いをこぼした。
すぅっと息を吸い、真剣な眼差しになると、杏樹ちゃんも何かを悟ったのか一緒になって真剣な眼差しになった。
「あのね、その、天野くんが私の名前を知ってて…。あと、天野くんに頭を撫でられた…」
「嘘!?ほんと!?やったじゃん、結!」
「杏樹ちゃん、"やったじゃん"って…?」
「結、無自覚?そこも可愛いけど…。結、天野くんのこと、気になってるんでしょ?だったら、やったじゃん!」
"可愛い"というワードが聞こえたが、天野くんのことが気になってるという点では嘘は吐けなかった。
というより、表情に出てしまっている。
杏樹ちゃんは寝坊をしたそうで、午前中の授業は諦めてお昼の後の午後の授業だけでも出ようと登校したらしい。
そこで改めて、一人にしてごめん、と言葉を添えて、クッキーを渡した。
「え!?結が焼いたの!?うわー!美味しそう!ありがとうね!」
といった感じで興奮冷めやらぬうちに食後のデザートでクッキーを頬張った杏樹ちゃんは"美味しい!"と満面の笑みで感想を言ってくれた。
「そんなに美味しそうに食べてくれると、作った甲斐があるよ」
「あ!そういえば!大事なことを聞かなくちゃいけないんだった!」
その話が来たか…と私は心構えた。
「あの黒髪イケメンの天野くんが結を保健室まで運んだんだよ!?しかもお姫様抱っこで!!!保健室で何かあった!?」
ぐいぐいと来る杏樹ちゃんに私は苦笑いをこぼした。
すぅっと息を吸い、真剣な眼差しになると、杏樹ちゃんも何かを悟ったのか一緒になって真剣な眼差しになった。
「あのね、その、天野くんが私の名前を知ってて…。あと、天野くんに頭を撫でられた…」
「嘘!?ほんと!?やったじゃん、結!」
「杏樹ちゃん、"やったじゃん"って…?」
「結、無自覚?そこも可愛いけど…。結、天野くんのこと、気になってるんでしょ?だったら、やったじゃん!」
"可愛い"というワードが聞こえたが、天野くんのことが気になってるという点では嘘は吐けなかった。
というより、表情に出てしまっている。