通信制の恋
『おーい、結?トリップしてない?』


「あ、ご、ごめん…!ちょっと気持ちの確認をしてて…」


『んで?その考えた結果、天野くんのことは好きなの?』


「う、うん…、私、直のこと、好きだ」


『そっかそっか!やっと気付いたのね!てか!直って名前で呼んでるの!?』



「あっ、うん、名前で呼べって言われて…」



『天野くん、やるわね…』


「今でも呼ぶのちょっと、照れるけどね…」


『あー、もう!結、恋する乙女で可愛い!今度学校へ登校した時はじっくり話を聞くからね!?』


「か、可愛くなんてないよ…!お、お手柔らかにお願いします…」


そんな話をしているといつのまにか1時間も電話をしてしまっていた。


そろそろ寝ないといけない。


「じゃあ、そろそろ寝るね。またね、杏樹ちゃん」


『うん、またね、結!おやすみ。』


そういうと私は電話を切った。



切った後で気付いたのだが、LINEの通知がえらいことになっていた。


「ご、50件!?」


追加している友達も少なく、今のところ話しているのは杏樹ちゃんと今日追加したばかりの直だけだ。


杏樹ちゃんとは先ほど電話で話していたから、つまりこの50件の通知の犯人は…


「やっぱり、直だった…」


LINEを開くとそこには大量の直からのメッセージが届いていた。


バーッとスクロールして見てみると、
"結、何してる?"とか
"結"だとかなんだか、構って欲しいような
メッセージばかりが並んでいた。


もう時間も時間なので、返事は明日することにして、私はただ"返事が出来ず、ごめんなさい。もう寝ますね、おやすみなさい"と送って、眠りについた。
< 34 / 167 >

この作品をシェア

pagetop