通信制の恋
ペンギンコーナーに着くと人は少しまばらでイルカショーのコーナーよりは人が空いていた。


そのため、直ぐにあの栗毛の女の子を見つけることができた。


「杏樹ちゃーん!!」


「結!!!イルカショーどうだった?」


「う、うん。オモシロカッタヨ。」


「物凄いカタコトだけど。ははーん?さては、また天野くんと進展でもあったな?」


杏樹ちゃんの鋭いツッコミが炸裂したかと思えば、杏樹ちゃんは名探偵顔負けの表情で私に詰め寄った。


「栗田さん、その辺にしてやって。結、キャパオーバーしてるから。」


「うわわわっ!ごめん、結!!!」


先ほどの直との出来事を思い出してしまって顔が真っ赤になって頭がショートしてしまうのはこれからなんとかしたいと思った。






私が落ち着いた頃、お土産屋さんで買ったペンギンのキーホルダーを杏樹ちゃんに渡すととっても喜んでくれた。


「わー!!!いいの!?こんな可愛いの…!めっちゃ可愛い!!!今度から鞄につけよ!!ありがとう!結ー!」


むぎゅーっと抱き着いてきた杏樹ちゃんを優しく抱きとめぽんぽんと背中を優しく叩いてやると、ガタリと直が立ち上がった。




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