通信制の恋
「ほんとお前学習しろよな。女の友情に嫉妬すんなって。」


これまたいつの間にか集合していた東雲くんが急に立ち上がった直をなだめて、椅子に座らせた。


「(女の友情に嫉妬、とは…?)」


と私が疑問に思っていると、そろそろ自由行動の時間が終わる時間だった。


「そろそろエントランスに行こうか。」


「うん!」


エントランスに行くまでの間、それなりな人がいたため、直が私の手を握ってくれていたのだが、反対の手を杏樹ちゃんに引かれていたため、2人が同じ方向に進まないときは私は困った。


そんなときは東雲くんが助け舟を出してくれる。


「黒沢さんが裂けちゃうでしょ。どっちかにしてあげなよ。」


「っち」


東雲くんの言い分になぜか直は舌打ちをして、杏樹ちゃんを見た


「結は俺が手を引くから。」


「何言ってんの、私が結と一緒に行くの」


「はぁ?」


「あぁ?」


「まぁまぁ、2人とも!私1人で歩けるし!」


「「それが一番危ない(んだよ)(のよ)」」


「えっ、えぇー…」


「変なとこで息が合うんだな」


一歩も譲らない両者に私と東雲くんは揃って溜息を吐いた。


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