通信制の恋
ふんわりと笑ったなおに私の心はトクンの高鳴った。


そのままの流れで直は私の顎に手を添えて、クイっと上げた。


「(あ、キスされる…)」


と思った時には、もう私の手は動いていた。




むにゅ




「………」



「……ご、ごめん。思わず…」


直が口付けようと顔を近付けた瞬間私と直の間に水族館で買ったイルカのキーホルダーを挟み、直の口付けはイルカにすることとなった。


そのあと、私はそのイルカに口付けた。


「こ、これじゃダメ…かな?」


所謂間接キスに私が直を見つめると、直は急に体の力を抜いて私に寄りかかるように肩に額を乗せた。


そして、ゆっくりと背中に腕を回して抱きしめてきた。



「あー、もう、可愛い。」


「へ!?」



直の言葉に顔を真っ赤にして、オロオロしていると、直が再度ぎゅっと私を抱きしめた。



「あんまり可愛いことしないで。俺の心臓がもたない。」



「わ、私の心臓ももたないから、あんまりカッコいいこととかしないで…」



「他の女の子に愛想振りまいてもいい訳?」


「そ、それはやだ!そういうことじゃなくて…、時々でいいので、かっこいいって再認識するようなことして…?」


「それは無理かな。俺は本能に忠実に結を愛すんだから。」


「あ、愛す…」


あまりにも大胆な告白に私は顔を真っ赤にした。
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