通信制の恋
それから直から返事があったのは2日後だった。


その日の夜、髪の毛を乾かし終わり、ベッドでスマホを構っていると、直から電話があった。


驚いてスマホを落っことしそうになったが、何とか耐えた。


「はい!もしもし!」


『もしもし、結?バイトのことで話しあるんだけど、今大丈夫?』


「うん、大丈夫。」


「良かった。あのね、バイトのこと話したらトントンと話が進んで、俺の知り合いってことで、面接も履歴書もいらないって。3日後の10時半に来てって。
俺もその時間に出勤することにしたから、一緒にバイト先行こ」


「履歴書も面接もパスしていいの!?なんだか悪い気が…」


『店長が俺の彼女が気になるって言ってたけど…。まぁ、悪い人じゃないから。』


「そっか…、良い人だね、少し楽しみ。」


『俺も結が同じバイト先なら安心』


「安心…?」


『他のバイト先でどこの馬の骨かもしれないやつと結が仲良くなるの知らないでいるの俺が耐えられないから。』


「そ、それなら私も安心するよ…。直が女の子に笑顔振りまいているのかと思うと、その…、嫉妬、しちゃう…」


『結が嫉妬してくれるなんて嬉しい。ほんと可愛い。はぁ…、抱き締めたい。』


「それはちょっと…」


『結は俺とぎゅーしたくない?』


「し、したいけど…!その、まだ恥ずかしくて…」


『そのうち、慣れるよ』


「慣れるかな…?」


『ずっと一緒にいれば慣れるよ。じゃあ、3日後の10時前くらいに迎えに行くから。』


「ありがとう。またね、おやすみ。」


『おやすみ、結』



スマホの通話を切ると私はベッドに仰向けに倒れた。
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