通信制の恋
それからレジ打ちも体験し、注文の聞き取りとレジ打ち、品物の提供を繰り返していたらいつのまにかバイトが終わる時間になっていた。


「2人ともあがっていいよ。」


「すみません、ありがとうございます。」


私はまきさんにぺこりとお辞儀をするとロッカールームへと向かった。


エプロンを解き、名札も取り、ロッカーの荷物を出して帰り支度をしてロッカールームを出るとちょうど直と鉢合わせになった。


「今日はこのまま送って行きなよ。」


「はい、そのつもりです。」


「えっ、そんないいよ!朝も迎えに来てくれたし…」


「俺が好きでやってることだから。結は気にしなくていーの。」


そういって直は頭をぽんぽんと軽く叩き、私の手を掴んだ。


「それじゃあ、まきさん、お疲れ様でした。お先に失礼します。」


「お、お疲れ様でした!先に失礼します!」


直に続いて私がそういうとまきさんはニコニコしたまま手を振ってくれて、私たちはカフェを後にした。
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