通信制の恋
「今日のバイト、どうだった?」


私の家への帰り道で直がそう聞いてきた。


「覚えることがいっぱいだけど、頑張れそう!直もいるしね」


「まきさんにはなるべく結とシフトが合うようにしてもらうから。」


「そんな!いいの…?」


申し訳なさが込み上げてきて、直を下から見上げる。


「結のため、俺のため、だからね。バイト中に結に悪い虫がついたらいけないからね」


「悪い虫?」


「こっちの話。何かあったらすぐに頼って。」


「うん。ありがとう、直。送ってもらっちゃったりして…」


直と話していると時間が経つのが早く感じる。


いつのまにか、私の家の前まで辿り着いており、ここでさよならすることになった。


「また明日ね。」


「ん、じゃあね。」


手を振り、別れると私は早速家の中に入った。


「ただいま〜」


「おかえり。今日のバイトはどうだった?」


「覚えることがいっぱいだったよ〜。でも、店長さんや直が助けてくれてなんとか。」


「最初はそんなものよ。少しずつ慣れていくわよ。」


「うん。」


母の励ましに私が答えると、すぐにご飯となった。


今日の夕食はハンバーグだった。


夕食後はお風呂に入り、今日一日の疲れを癒した。


入浴後、杏樹ちゃんにLINEでメッセージを送り、今日のバイトのことの報告をした。


直にもいつものようにメッセージを送り、私は髪の毛を乾かし始めた。


大抵髪の毛を乾かしている間にメッセージの返信が来ることが多い。
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