通信制の恋
次の日も私は直と一緒にバイトに励んだ。
分からないところはまきさんや直を頼って聞くようにして、それ以外は自分でできるようになってきた。
バイトを始めて1週間も経てば私はもうカフェに馴染むようになってきた。
直は私とバイトのシフトが合うと必ず家まで送ってくれる。
悪いから…と一度断ったのだが、直は頑固で心配性で私を1人で帰らせたくないと言って聞かなかった。
そのため、私もそんな真剣な直に折れて、お言葉に甘えて家まで送ってもらうことにした。
そのバイトの帰り道。
「ねぇ、どうして、結は急にバイトを始めようとしたの?」
「えっと…、不純な動機でして…」
「どんな理由でも結と一緒に居られる時間が長くなったから、俺は嬉しいけどね。」
「あの、正しくそれなの…」
「ん?」
「夏休み中も直に会いたくて…それで直と同じバイト先がいいなーとか思ったり…。あと、もう1つ理由があって…」
「理由?」
私は顔に熱が集中するのを感じながら、手をもじもじと動かしながら答えた。
「あの…、直と旅行に行きたくて…」
「………」
「ご、ごめんね!嫌だったよね!旅行なんて急に言われても、ね!」
「…………じゃん」
「へ?」
「嫌なわけ無いじゃん。結と旅行に行けるとか俺めちゃくちゃ嬉しいよ。」
「ほ、ほんと?一緒に行ってくれるの?」
「もちろん。結と一緒ならどこでもいい。」
「よ、良かった〜」
ホッと胸をなでおろすと、直は優しく私を見つめてきた。