通信制の恋
「…面白かったのに」


そういって手を離した直に私は恨めしげな視線を送り、頬をさすった。

今の頬は赤いに違いない。


今回の体験学習はもちろん、総合学習の一環であり、出席日数を稼ぐことができる。

しかし、ここでもやはり、レポートを書くことが前提であり、バスで出発する前にレポート用紙が配られていた。


星の館に入るとあらゆる天体についての展示がしてあり、少し天体に興味のある私はテンションが上がった。


「わぁ〜!すごいすごいすごいすごい!」


「はいはい、はしゃがないの。」


「だって、天体だよ!?星座だよ!?テンション上がらない!?」


「結はそういうのが好きなんだ。また一つ知れた。」



「う…。こういうのは小学生の頃から好きで…」


「ふーん。」


興味なさげに返事をする直に私はなぜ今回のイベントに参加したのか、さっぱり分からなかった。


私が心配だから、というだけでバイトを休み、あまり興味のないイベントに参加するものだろうか。


星の館の職員さんにガイドしてもらい、私たちは施設内を見て回った。



「それでは、プラネタリウムを観ます!入ったら好きな場所に座ってくださいね〜」


引率の先生がそういうと生徒たちはぞろぞろとプラネタリウムの部屋に入っていった。
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