通信制の恋
カレーは杏樹ちゃんに任せて、私は洗い物をしていると、杏樹ちゃんと火加減を見に行ったはずの直が戻ってきた。


「直!また戻ってきたの?」


「あの二人もいちゃいちゃするんだもん。俺もいちゃいちゃしにきた。」


「はぁ…。来たからには手伝ってもらいますからね。」


「手伝ったらいちゃついてもいい?」


「まぁ、許します。」


「じゃあ、手伝う」


あっさりと手伝うことを決めた直は私と一緒にまな板や包丁を洗った。



「お二人さーん!カレールー持ってきて!」


「はーい!」


火を起こしている場所から杏樹ちゃんの声がして返事をすると、洗い物も終わり、私はカレールーとお水を持って杏樹ちゃんたちの元へと向かった。



「お水とカレールー、持ってきたよ」


「ありがとー!お水までありがとうね。」


「野菜は炒まった?」


「うん、だいぶ。ご飯の方も後もう少しで炊けるはず。」


「東雲くん、ずっと火を見てもらってごめんね。直が手伝わなくて…」


「いいよいいよ。直のやつ、ずっと黒沢さんの方見てて使いもんにならなかったから。」


「直、ちゃんと火起こし手伝わなきゃいけないでしょ?」


「着火したのは俺だもん。」


「その後もちゃんと見てなさい。」


そう言って直に説教をすると、直はそっぽを向いた。


カレー鍋にお水を入れ、沸騰してきたところで、野菜に火が通ってるか、確認をした。


「うん!人参もジャガイモも火通ってるよ!」


「じゃあ、ルー入れるね。」


最初に支給された材料にあったカレールーを数個お鍋に入れた。
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