通信制の恋
4人で手を合わせて、合掌をすると、カレーに手をつけ始めた。


私もパクリと食べてみると、それはもうとっても美味しかった


「えっえっ、カレーってこんなに美味しかったっけ?」


「だよね!普通に家で食べるのより美味しいよね!?」


女性陣はきゃっきゃっと盛り上がったのだが、男性陣は黙々とカレーを頬張っていた。






カレーを食べ終えると私たちは片付けに入った。


「いい、直。ちゃんと東雲くんと協力して片付けてね。私のところに来ないこと。いいね?」


「…はーい。」


「"はい"は伸ばさず!」


「…はい。」



直と東雲くんが火を使った場所の後始末を。
私と杏樹ちゃんで使った鍋を洗うことにした。


「カレーってこびりつくから嫌だよね〜」


「そうなんだよね〜…、少し水張っとけば良かったかな…」



二人でゴシゴシと支給されたたわしとスポンジを活用して鍋を洗っていると、先に片付けを終えた男性陣が戻ってきた。


「汚れ、落ちた?」


「うん、だいぶ。後もうちょっとだから、待ってて」


東雲くんが尋ねると、杏樹ちゃんはゴシゴシ擦る手を止めて東雲くんの方を向いた。


私はというと…


「直〜、また〜?」


そう、また後ろから抱きしめられ、お腹に腕が回されている状態だった。


「結の充電中。」


「私は充電器か。」


「ナイスツッコミ」


そんなやりとりをしているうちに洗い物を片付けることができた。


直の存在はちょっと邪魔だったが。

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