きみのための星になりたい。
第2章 ひとりぼっちの世界は寂しくて

あのゴールデンウィークの約束を交わした次の日から、世間はゴールデンウィークに突入。ゴールデンウィーク前半は家族と遊園地に行く予定だったけれど、蓮の体調があまり思わしくなく、自宅でパンケーキを焼いたりたこ焼きパーティーをしたりと、基本的に家の中で過ごした。

そして明日は、とうとうあかりたちと遊びに行く日だ。

明日の気温はどうだろう。一応服はもう決め、半袖の上に長袖のシャツを羽織ることにしたけれど、暑くはないだろうか。グミや飴を持って行った方が、みんなで食べられる?

当初はあかりがいるなら……と行くことを決定したものの、こうして当日が近付いてくれば、楽しみだなあと思えている自分がいる。

さあ、早く眠りにつかなければ。

私はベッドの下に座らせていたぬいぐるみに手を伸ばすと、それをきつく抱きしめてまぶたを伏せた。

その時、充電器に繋いで枕の横に置いていたスマートフォンがブブッと音を鳴らす。……こんな時間に、誰だろう。不思議に思った私は、ぬいぐるみを抱きしめていた腕を解き、スマートフォンを手に取り覗き込んだ。

「柊斗……?」

メッセージの送り手は、柊斗だ。

《明日、楽しみだね。遅刻しないように気をつけるんだよ》

画面をタップしてメッセージを開くと、そんなことが書いてあった。これは、柊斗から、遅刻しないかと心配されているのだろうか。思わず私の口元はゆるりと弧を描く。

《ありがとう。私、朝には強い方だと思うから、多分大丈夫。私も明日、楽しみにしてるね》

《そっか、凪、朝強いんだね。それなら安心だ。俺もそろそろ寝ようかな》

《うん、明日に響かないようにちゃんと寝ないとね。柊斗も、明日遅刻しないようにね》

僅かに緩んだ頰はそのままに、寝転びながら柊斗からのメッセージに返信を打つ私。けれど、柊斗の言う通り、本当にそろそろ寝なければ。そう思い、私は布団を首元まで引き上げた。

それから柊斗と《おやすみ》と互いに就寝の挨拶を送り合い、私は深い深い眠りに落ちていったのだった。
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