きみのための星になりたい。
でもよくよく考えれば、私は何も悪いことはしていないはず。正論を言ったのだから、堂々としていればいい。
そう思い、このことはあまり気にしないことにした。けれど、その翌日。いつも通り登校し、教室にある自分の席に腰掛けた私のもとに、昨日頼みを断った女の子と、その取り巻きともいえる彼女の友達数人がやってくる。
そのピリピリとした空気に少し怖気付き、『……なに?』と恐る恐る彼女の顔を見上げると、彼女は一言、『ケチな女だね、あんた』と小さな声で言い放った。
言われている意味が分からず、目を見開く私。そんな私の反応を楽しむように、周りにいた彼女の友達も次々と暴言を口にする。
『最低』『最悪だね』『給食委員なんだから、黙って持って行ってくれてもいいじゃんね』『役立たず』
まるでいじめともとれるような言葉を平気でぶつけてくる彼女たち。それらを聞いているうちに、私は自分の犯した過ちにようやく気が付いた。
こうなった原因は、……昨日私が、彼女の頼みを断ったからだ。そう思った途端、昨日は正解だと思って伝えた自分の意見が、急に間違いだったのではないかと自信をなくす。
あの時、彼女の頼みを黙って受け入れていれば。自分の意見なんてそんなものどこかへ押し込めて、いいよ、とたった一言が言えていれば。こんなことを言われることはなかったのではないか。
……そう考えれば、この状況を作ったのは間違いなく私の発言なわけで。
私はグッとスカートを握りしめ、俯く。彼女たちは私が何も言えないのをいいことに、ひたすら悪意にまみれた言葉を好き放題に投げつける。どれだけ耐えたのだろう。気付けばそれを聞いていた正義感に溢れた男子が助けに入ってくれ、私と仲の良かった友達も私のフォローにきてくれた。
こうしてその日は暴言を吐かれることはなかったものの、彼女たちには小学校を卒業するまでチクチクと嫌味を言われ続けた。