MIYU~シングルマザー二十歳,もう一度恋します~
――そんなこんなで,美優のシングルマザーライフも三年が経とうとしていた春。
月が変われば彼女は二十歳(ハタチ)に,娘の春奈も三(さい)になるという三月の(なか)ばのある夜のこと。

「お父さん,ちょっといい?」
パジャマ姿の美優は,春奈と一緒に入浴した湯上がりに,リビングでTVを観ていた父親の(ひで)()に話しかけた。娘のためにソファーのスペースを()けた父は,リモコンでTVの電源を切ってから「どうした?美優」と娘の方に向き直る。
「――うん,あのね。あたしやっぱり,結婚した方がいいのかなーと思って……」
「結婚って……,まさかアイツとか!?」
父は何を思ってか,美優が結婚する相手を()()健だと早合点(はやがてん)したらしい。
「はあ!?違うよぉ。あのバカとはもうケリついてるから。そうじゃなくて……」
美優が言いたかったのは……。
「アイツじゃなくたって,春奈には父親が必要なんじゃないかな,って。だからあたし,婚活するよ。あの子のために」
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