MIYU~シングルマザー二十歳,もう一度恋します~
「……うん。ママ,あしたはおうちにかえってくる?」
まだ幼い春奈が,無垢な瞳でじっと見つめてくる。美優がしゃがんで目線を合わせているので,まっすぐに。
母親としては,まだ我が娘に対して後ろめたさがあった。「お願いだから,泣かないでね」と,美優は祈るような気持ちで春奈に言う。
「うん,大丈夫。明日にはちゃんと帰ってくるよ。明日,保育園のお迎えにはママ行けるから。行く時はじいじと一緒に行ってね」
「うん,わかった」
春奈が駄々をこねないでくれて,美優はホッとした。靴を履くと,可愛い我が娘をぎゅーっとハグして「行ってきます!」と玄関を飛び出した。
いつもなら履かない,というかもう何年も履いていない一〇センチ以上あるヒールのパンプスは,久しぶりに履いて歩くとなかなか慣れない。まあ,「歩く」といっても,家の前をウロウロしていただけだけれど。
やがて車のヘッドライトが見え,いつもの白いミニバンが美優の目の前に停まった。
「美優,待った?」
運転席から降りてきた裕一は,いつもより大人な雰囲気を醸し出していた。夜に会うのは初めてだからだろうか?
初っ端からこれでは,今夜のこれから何があるかを暗示されているようで,美優はイヤでも緊張してしまう。
「ううん,あたしもさっき出て来たところだから」
せっかく最近,打ち解けて話せるようになったのに。表情が強ばってしまい自己嫌悪。
まだ幼い春奈が,無垢な瞳でじっと見つめてくる。美優がしゃがんで目線を合わせているので,まっすぐに。
母親としては,まだ我が娘に対して後ろめたさがあった。「お願いだから,泣かないでね」と,美優は祈るような気持ちで春奈に言う。
「うん,大丈夫。明日にはちゃんと帰ってくるよ。明日,保育園のお迎えにはママ行けるから。行く時はじいじと一緒に行ってね」
「うん,わかった」
春奈が駄々をこねないでくれて,美優はホッとした。靴を履くと,可愛い我が娘をぎゅーっとハグして「行ってきます!」と玄関を飛び出した。
いつもなら履かない,というかもう何年も履いていない一〇センチ以上あるヒールのパンプスは,久しぶりに履いて歩くとなかなか慣れない。まあ,「歩く」といっても,家の前をウロウロしていただけだけれど。
やがて車のヘッドライトが見え,いつもの白いミニバンが美優の目の前に停まった。
「美優,待った?」
運転席から降りてきた裕一は,いつもより大人な雰囲気を醸し出していた。夜に会うのは初めてだからだろうか?
初っ端からこれでは,今夜のこれから何があるかを暗示されているようで,美優はイヤでも緊張してしまう。
「ううん,あたしもさっき出て来たところだから」
せっかく最近,打ち解けて話せるようになったのに。表情が強ばってしまい自己嫌悪。