MIYU~シングルマザー二十歳,もう一度恋します~
「あたしには,あなたがいてくれたらいいから。……あ,春奈は別ね」
裕一がどんなにいい人でも,春奈のことを邪見に扱うような人だったら,美優は彼を将来のパートナーとして選んでいなかった。
彼が春奈の母親であることも踏まえて美優を好きになってくれたから,美優は彼と交際することを決めたのだ。
「じゃ,今日も春奈ちゃんのこと心配だろ?あとで電話してあげなよ」
「うん,そうしよっかな。ありがと」
春奈の世話は両親に頼んできたけれど,本当は心配だった。
春奈にとって,ママがいない夜は初めてだ。いくら祖父母がいてくれたって,夜遅くまでグズってなかなか寝付かない可能性は充分ある。そのことで勤め人である父の秀雄が朝起きられなかったら大変だ。
(春奈,淋しがってないといいけどな……)
車窓の向こうの流れる景色を目で追いながら,美優が思うのは今日この後のこと……ではなく我が子のことだった。
――二〇分後。二人の乗った車は六本木の高層ビル群の一画で停まった。
この区画から少し先に行くと,キャバ嬢や高級クラブのホステスさん達が夜のお勤めをする歓楽街である。
「美優,着いたよ。ここが,僕の住んでるマンション」
「わあ……,スゴいマンションだね」
そこは地上三〇階はゆうに超えているであろう超高層のタワーマンション。高層階なら,賃貸でも家賃は十万円を越しているだろう。
裕一がどんなにいい人でも,春奈のことを邪見に扱うような人だったら,美優は彼を将来のパートナーとして選んでいなかった。
彼が春奈の母親であることも踏まえて美優を好きになってくれたから,美優は彼と交際することを決めたのだ。
「じゃ,今日も春奈ちゃんのこと心配だろ?あとで電話してあげなよ」
「うん,そうしよっかな。ありがと」
春奈の世話は両親に頼んできたけれど,本当は心配だった。
春奈にとって,ママがいない夜は初めてだ。いくら祖父母がいてくれたって,夜遅くまでグズってなかなか寝付かない可能性は充分ある。そのことで勤め人である父の秀雄が朝起きられなかったら大変だ。
(春奈,淋しがってないといいけどな……)
車窓の向こうの流れる景色を目で追いながら,美優が思うのは今日この後のこと……ではなく我が子のことだった。
――二〇分後。二人の乗った車は六本木の高層ビル群の一画で停まった。
この区画から少し先に行くと,キャバ嬢や高級クラブのホステスさん達が夜のお勤めをする歓楽街である。
「美優,着いたよ。ここが,僕の住んでるマンション」
「わあ……,スゴいマンションだね」
そこは地上三〇階はゆうに超えているであろう超高層のタワーマンション。高層階なら,賃貸でも家賃は十万円を越しているだろう。