死者の涙〜最期のメッセージ〜
「斎藤さん!お孫さんが遊びに来てくれましたよ〜!!」

職員はベッドで昼寝をしている利用者に声をかける。

「会いたくなって来ちゃいました!このネックレスをおじいちゃんがプレゼントしてくれてから、時々会いたくなるんです!」

職員に女性は話しかける。その時、藍の頭に大野三郎のことが浮かんだ。

「確か、三郎さんもネックレスを買うと花凛さんと約束していたわね……」

藍は迷わず女性に近づき、話しかける。

「そのネックレスは、いつもらったんですか?」

「この前、ここに来た時です」

女性がキョトンとした顔をする。藍はお礼を言い、部屋を出て行く。大河が慌ててついて来た。

「霧島さん、どうしたんですか?」

「三郎さんが亡くなった××通りの近くにアクセサリーショップがないか、如月刑事に調べてもらうわ。三郎さんは、斎藤さんがネックレスを渡しているのを見て、昔のことを思い出したのかもしれない」

「それで施設から脱走して、あそこまで……?」
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