過ぎた時間は違っても
二人でいる楽しさを知って、一人の孤独に戻るのが嫌なんだと思う。それ以上の幸せを知らない時は今が一番幸せだと思う。でも、それ以上の幸せを知ってから元に戻ると絶望してしまうから。

「・・・生まれ変わりの理由、他にもあるんですよね?」

「・・・お前のそばにいた羽季という男がお前がいた歴史を思い出そうとしているんだ。今自分がいる時間が手の加えられた物だと気付き始めている。・・・お前に会いに来るかもしれない・・・」

私の問いかけに神様は顔を上げ、目を見開いていた。話したくなかったから自分から言わなかったんだろう。私も他にもあるという事実を確かめたかっただけだから話してもらおうとは思っていなかった。でも、今は聞いて良かったと思っている。
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