過ぎた時間は違っても
唯織の友達に文句を言われたけれど別に気にしてはいなかった。俺は早く別れて唯織と恋人になりたいのに、あの子が絶対に別れないと言い張っているから。別れたら唯織を社会的に殺してやると、外を歩けないような体にしてやると脅されているから。唯織の母親の話だと女の恨みは怖いって言うし、万が一を思うと一歩踏み出せなかったんだ。

「羽季が振り向かないから自棄になって幻想を抱いているだけなんじゃないの?一緒に出掛けてどんな奴なのか見せ付けてやれば良いでしょ」

「唯織以外の女の子と二人っきりで歩くのはなー」

自分でも分かってはいるんだ。唯織がいないと時間通りに動く事が出来ないんだって。十一時に待ち合わせとか、三時に集合とか言われると十一時に準備を始めれば良いかとか三時に家を出れば問題ないかとか。
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