過ぎた時間は違っても
ただ、俺は見惚れてしまう動きをする彼女のバスケをしている姿に惚れただけで他の事は何も知らなかった。だから、バスケ以外に一緒に過ごす口実がなかった。俺が早とちって空回りしていたのはこの恋のせいなのかもしれない。しかも、それが距離を置かれる原因になっていたなんて。

「俺のこの気持ちはどうしたら良いんですか・・・?」

「・・・体を動かしながら考えようか」

体を動かしても答えは出なかった。考えても頭に浮かぶのは一目惚れしたあの動きだけ。あの動きをもう一度見たい。
ダメだと分かっていても、彼女の姿を求めている俺がいた。でも、それは部長も同じで俺が彼女を見つけて無意識に駆け寄ろうとすると止めてくれていた。うちの部の大事な戦力がいなくなっては困ると笑いながら。
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