過ぎた時間は違っても
俺が使おうと出しっぱなしにしていたボール。二人は使って良いのかと話ながら恐る恐る手に持つと、そのまま勝負を始めた。体育館独特の足を止めた時に鳴るきゅっという音、ボールが床にぶつかる時の鈍い音、ボールを取られた時の声。三人しかいない事もあって体育館中に響いていた。
「まだまだ甘いよ、翔琉(かける)」
「くそっ!何がダメなんだ!」
「えっと、こういうの何て言うんだっけ。対応力?相手を抜くのに失敗した時の一瞬の隙が分かりやすいんだよ」
「本当の事過ぎて何も言えねー」
「自覚があるなら大丈夫だって。頭で考えすぎている所があるからもう少し自分の体に染み付いている感覚を大切にした方が楽に動けるんじゃないかな」
「まだまだ甘いよ、翔琉(かける)」
「くそっ!何がダメなんだ!」
「えっと、こういうの何て言うんだっけ。対応力?相手を抜くのに失敗した時の一瞬の隙が分かりやすいんだよ」
「本当の事過ぎて何も言えねー」
「自覚があるなら大丈夫だって。頭で考えすぎている所があるからもう少し自分の体に染み付いている感覚を大切にした方が楽に動けるんじゃないかな」