過ぎた時間は違っても
ただ、その代わり他の部分が並外れている。男である兄と渡り合えるくらいバスケが出来るのも、ほとんどが推薦なのに難関と呼ばれるこの学校に入試試験を受けて入学したのもそう。体が二十年で一生分を使い果たそうとしているらしい。だから何をやっても長けているのだと。

「ねぇ、唯織ちゃん!一回だけシュート見せて!お願いっ!」

「バスケ部の練習があるから終わってからね」

生徒も教師も去っていって翔琉は一週間の停学、あの男子は反省文を書かされる事になったらしい。歩幸くんが私のシュートを見たがったけれど、一秒であってもバスケ部の練習を潰す訳にはいかないし部活が終わってからと宥めようとした。
小学校での事があってなるべく目立ちたくなかった。でも、美幸ちゃんも加わって私では落ち着かせられなくなりそうだった時に武弘さんが声をかけてくれた。
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