過ぎた時間は違っても
自転車専用の道路も終盤に差し掛かった頃、突然あれを見てと楽しそうな声が聞こえた。自転車を止めると、唯織がカメラを構えながら何かを楽しげに撮っているようだった。
良かった、退屈させていなかったんだと安心しつつ、撮り終えるのを待っていると彼女から近寄ってきてくれた。撮れた写真を見せながら話す彼女は楽しそうだったけれど、体がぴったりとくっついている。心臓が爆発してしまいそうだった。

「見てみて!この子、二年前に絶滅したって言われていた種類なの!」

「そうだったんだ。うちの家からたまに見るよー」

「嘘っ!良いなー!」
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